神田川に漂う船に音楽家と共に乗り、音をきっかけにまちを味わう非日常の「船上の音遊び」。二代将軍秀忠の命を受け造営された掘割…ここには明治期以降の欧米化の流れを体現したルネサンス風の高架鉄道橋をかわきりに、多くの鉄道橋が架かるなど鉄道が集積する場ともなっています。鉄道の行き交う都市環境を背景に、日本が体験してきたそれぞれの時代の価値観がビジュアルに積層した景観=物語りを、船という普段とは異なる視点と音・音楽の刺激を通じて、より繊細に、より鮮やかに体感する神田川での「船上の音遊び」を、ぜひご体験ください。

都市楽師プロジェクト・鷲野 宏




イタリア・ルネサンスを中心とした声楽曲の向こうに、都市が奏でる音の風景を聴きながら、人工の渓谷を渡る聖橋の未来的なアーチを臨み、橋の上を飛び交う鉄道に都市交通網の発展を見上げ、今はなき煉瓦造りの「万世橋駅」に思いを馳せる。音をきっかけにまちを味わう「船上の音遊び」。

辻康介 (声楽)
福島康晴 (テノール)
阿部大輔 (バス/バリトン)
鳥越けい子 (都市の音遊び解説/青山学院大学教授)
鷲野宏 (まちの意匠・歴史解説/都市楽師プロジェクト主宰)

2015年09月05日(土)
 第一便 13:30-14:30
 第二便 15:00-16:00 ※第二便は残席僅少となりました。
 第三便 16:30-17:30 ※第三便は満席となりました。

会場: 神田川を漂う船の上 
     (和泉橋〜聖橋を運行予定)
乗下船場所:和泉橋防災船着場
定員: 各便 30名(お申込み先着順)
参加費: 4,000円 ※雨天・荒天中止(前日判断)




<予定楽曲>

クラウディオ・モンテヴェルディ:あなたはなんと美しい乙女か
Claudio Monteverdi(1567-1643):Quam pulchra es

コスタンツォ・フェスタ:事実には思えないので
Costanzo Festa(ca.1485-1545):Non mi par che sia vero

ジャコモ・ゴンザニス:大公様、聞いてください!ニュースです!
Giacomo Gorzanis(1520-1579?):Duca vi voglio dir

ヴィンチェンツォ・カレスターニ:きれいなねえちゃんよ
Vincenzo Calestani(1589-dopo il1617):Damigella tutta bella

ほか 
全9曲ないし10曲を予定。




辻康介 (声楽家)
1600年頃のイタリア音楽を中心に様々なジャンルの音楽を歌い、イタリア語歌を独自訳の日本語でも歌う。主宰する三つのユニット「ビスメロVisMelodica」「ネーモー・コンチェルタートnemo concertato」「南蛮ムジカ」での活動を中心に、「ジョングルール・ボン・ミュジシャン」などで歌う。「辻康介の体感音楽史:中世の移動ド」講座には数多くの受講生が集まっている。声楽を牧野正人、クラウディオ・カヴィーナらに師事。国際ロータリー財団奨学金でイタリアに留学、声楽の他にも古楽の理論的基礎を学んだ。国立音楽大学楽理科卒。

福島康晴
福島康晴(テノール・指揮者・作曲家)
東京音楽大学大学院作曲科修了。大学院修了後バロック音楽に傾倒し、声楽を牧野正人氏に師事する。2006年にイタリア留学を決意し、声楽をA・ジャネーゼ、V・マンノ、B・M・カゾーニの各氏に師事する。 またイタリア・ミラノ市立音楽院において「ルネッサンスのポリフォニー」をD・フラテッリ氏の下で学び、ミラノ大聖堂の楽長であったM・グランチーニ(1605-69)の論文とコンサートにより満点・褒賞付きで修了。 その後、自らアンサンブル・グランチーニを結成し、イタリア公共放送ラジオ”Rai 3”にて生演奏を行う。 これまでにイタリアで多くのバロックアンサンブルと共演する他、バロックオペラの出演も多い。2012年12月に完全帰国し日本での活動を再開する。2014年にはALMレコーズより発売された『A.ステッファーニ:2声のための室内カンタータ集』に参加。またイタリア・バロック音楽を専門に演奏するプロフェッショナルな団体、エクス・ノーヴォ室内合唱団を設立し、指揮活動も精力的に行っている。
阿部大輔
阿部大輔 (バス・バリトン) 
尺八を眞玉和司に、声楽を成田博之に師事。 尺八では古典本曲(虚無僧の吹いていた曲)や現代音楽を主に、声楽ではドイツ、イタリアのバロック期の宗教音楽を中心に演奏している。 むつのを、オーラJ、ヨハン・セバスチャン・カンマコーア・ヨコハマ、Vocal Consort Tokyo、EX NOVO他、声楽アンサンブル等で活動。 横浜国立大学教育人間科学部 地球環境課程卒業。 NHK邦楽技能者育成会第51期卒業。
鳥越けい子
鳥越けい子 (青山学院大学教授・芸術文化学博士)
日本各地の音文化の調査研究をおこないつつ、「サウンドスケープ(音の風景)」から「形あるもの・見えるモノを超えた環境」をテーマに、生活文化の継承や伝統文化の新たな活用を視座に入れたまちづくり、環境をめぐるデザインから保全に至る各種のプロジェクト、都市をフィールドにしたワークショップを展開している。専門は、音の環境文化学、環境美学、音・音楽とまちづくり。聖心女子大学教授を経て、現在、青山学院大学総合文化政策学部教授。

鷲野宏
鷲野宏 (都市楽師プロジェクト主宰)
アートディレクター/デザイナー。 芝浦工業大学卒 (曽根幸一・環境設計研究室 )。代議士秘書を経て、2007年鷲野宏デザイン事務所を設立。グラフィックデザインやアートプロジェクトを中心に活動。主宰する「都市楽師プロジェクト」では、音や音楽を刺激として建築や都市の「その場らしさ」を共有していくプログラムを実践している。日本サウンドスケープ協会理事。


今回乗船する音楽家である辻、福島、阿部の3名は他3名を加えた総勢6名で、「マドリガーレ」を演奏する声楽アンサンブル「SESTETTO VOCALE(セステット・ヴォカーレ)」として活動しています。「マドリガーレ」とは、1500年代から1600年頃にかけてイタリアで発展した歌曲形式のことで、ペトラルカやボッカチオなどの詩を題材として、言葉の意味を踏まえて言葉に抑揚をつけて歌うなど、表現方法のひとつの極みを見ることができるイタリア・ルネサンスを代表する音楽です。また、グループ名のSESTETTO VOCALEとはメンバー6名の「六重唱」という意味や六音音階とルネサンスの旋律論に基づいた、古くて新しい音のデザインなど「六」にちなんだいろいろな意味を込めているそうです。下の写真は2015年5月2日に開催した日本橋川での「名橋たちの音を聴く」での3名。









<乗下船>和泉橋防災船着場

JR「秋葉原」駅中央改札出口徒歩3分
日比谷線「秋葉原」駅5番出口徒歩1分
新宿線「岩本町」駅A3出口徒歩4分 
「和泉橋」北西側にあります。
(※受付は、各便出航15分前から5分前まででおこないます。)


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  ※お申込みフォームは別窓で開きます。


<ご注意いただきたいことの概要>
・雨天時の中止の判断は開催日前日夕方に行います。
・中止判断は開催日前日夕方にウェブに掲載するとともにメールにてご連絡します。
・音の響きや都市環境を味わうために使用船舶には屋根がありません。※1
・乗船中の写真撮影はできます。ただし動画の撮影は原則できません。※2
・就学前のお子様のご同伴はご遠慮ください。(なお、お子様も参加費は同一です。)

※1:当日の天気変動で雨天・荒天の場合は事前予告なく中止となる場合があります。/ ※2:どうしても録画・録音をおこないたいという方は、事前にご相談ください。著作権上、YouTubeへの投稿は禁止します。(主催者は記録用として写真撮影・動画撮影・録音を行います。)



<企画概要>
日程:2015年9月5日(土)
会場:神田川 (和泉橋防災船着場乗下船 航路:和泉橋付近〜聖橋付近)
主催:都市楽師プロジェクト 共催:神田リバーサイドプロジェクト 協力:千代田区観光協会
制作協力:Da Nemo 協賛:株式会社ジール(船舶所有者)
企画・構成・制作・ディレクション:鷲野宏 制作協力:鳥越けい子 辻康介
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